病院の中で外科は,最新技術や高度医療機器を利用した手術が行われることもあり、花形部署とみられることが多いです。従って、そこに勤務を希望する医師も看護師も多い人気の部署となっています。では、外科勤務の看護師となるために必要なことは何でしょうか?外科の特徴から紹介をしていきます。
薬物療法による治療がメインとなる内科に対し、外科は手術という手法を用いた治療を行う診療科であることが大きな特徴でしょう。手術によって、怪我や火傷を負った部位を修復し、症状の原因となる疾患部位を取り除くことが外科で行われる治療法となります。治療の対象が体の広範囲にわたるため、脳神経外科、心臓血管外科、消化器外科、呼吸器外科、整形外科などたくさんの専門分野に分かれていることも特徴の一つです。
そのため、看護師にもそれぞれの専門性に沿った高度な知識と技術が求められます。また、患者さんのほとんどが、手術目的で入院するため、急性期の患者さんが多く、創部が治癒すれば元気になる人が多いので、在院日数が短く、短期間で退院していく傾向にあります。
手術後や外傷のある患者さんが多いため、看護師の業務としては必然的に処置が多くなります。処置は創部の感染兆候の有無等を観察しながら、洗浄、消毒、軟膏の塗布、包交を行います。重症な場合や術直後の場合などは医師と一緒に行いますが、ある程度創部が落ち着いてきたら看護師だけで行うこととなります。
そのため、日常業務に加えて、術前・術後の業務を行うこととなります。術前には、術前処置や患者さんへの手術の説明、オペ室に持っていくカルテ類や同意書類の確認、家族のケアなどを行います。患者さんをオペ室へ送り出した後はベッドメイキングやオペから戻った後に使用する人工呼吸器などの医療器具の準備等をします。術後には状態の観察や管理を行い、医師から指示された薬剤の投与をし、家族が面会できるように調整します。
外科には、特有の看護師の役割があります。
・術前の精神的なフォローやケア
どんなに簡単な手術であっても、患者さんや家族は緊張と不安でいっぱいです。そんな患者さんや家族の精神的なフォローを行うのも外科看護師の仕事です。患者さんやその家族とコミュニケーションを取りながら、緊張や不安を把握して、その解消に努める必要があります。
・異常などの早期発見
手術直後は、急変が最も起こりやすい状態です。看護師がしっかりと観察して、異常を未然に防いだり、異常があった場合にすぐに対処できるようにしなければいけません。また、創部の感染などの合併症の有無の観察も重要な仕事です。外科看護師の観察力や判断力が、患者さんの治癒や退院時期を早めると言っても過言ではないのです。