一般の人にとって病院で白衣を着ている人は皆、看護師に見えてしまいますが、全員が看護師なわけではありません。その見分けかたはともかく、医療従事者の種別とそのお仕事の具体的な内容をご紹介していきます。
■看護師
患者に寄り添い、医療補助や患者のケアを行う専門職で、正看護師とも言います。国家試験に合格して看護師資格を取得することが必須となります。
看護師の仕事は医師の診察や指示に基づいて、患者の診療を補助、患者の入院生活の援助や看護を行います。問診や各種検査、点滴や注射、食事や排泄の補助、患者の移送、検温や入浴の介助、体位交換、記録、巡回、ベッドメイキングなどが主な業務となり、患者の症状を正確に把握し、医師に報告するのも仕事です。場合によっては、患者だけでなく、家族への対応も行います。職場としては、病院や診療所、老人保健施設、障害者福祉施設、訪問看護ステーションなど幅広くあります。
■准看護師
診療の補助や、健康状態のチェックなど、医師や看護師のサポートをする仕事です。
准看護師の仕事は医師や看護師の指示のもと、診療の補助や患者の世話を行います。患者の薬の管理や健康状態のチェック、診療の補助、患者の家族に対する心理的サポートやケアなどが主な業務となります。看護師が国家資格免許なのに対して、准看護師は都道府県知事免許となります。
■助産師
妊娠や出産をサポートする仕事です。助産師の国家試験に合格する必要がありますが、受験資格は女性のみとなっています。
助産師の仕事は妊娠中や出産時、産褥期に、健康管理や食事、運動などの生活指導やアドバイスを行います。正常分娩時には出産の介助として助産を行います。分娩や出産後も体調管理や母乳指導、乳児指導など、妊娠から出産、育児に至るまでの一連の流れの指導を行います。
■保健師
病気の予防や健康管理を目的に保健指導や生活支援を行う専門家となります。保健師になるには国家試験に合格する必要があります。
保健師の仕事は病気の予防や健康増進を図るために健康管理を目的とした保健指導や相談業務、日常生活支援などを行います。健康診断による疾病の早期発見や病気予備軍の発見、適切な食事や生活指導による病気の防止などが主な業務となります。民間企業で働く産業保健師のほか、学校保健師、保健所など行政機関で働く地域の保健師などがいます。
■看護助手
看護師や入院患者を総合的にサポートする仕事です。
看護助手の仕事は医療や看護の現場で看護師のサポートを行います。看護師や准看護師と違って資格を持ちませんので、医療行為を行うことはできません。病院の病棟や外来、手術室、診療所や訪問看護ステーションなどに勤務し、入院している患者の食事の世話や入浴の介助など身の回りの世話や患者の家族への連絡、診療の際の誘導、備品管理など病院内の雑務を行います。